デジタル介護士 ぱんあた(Panda attack)です。
言わずもがな、介護という仕事は忙しいです。廊下などですれ違いざまによく使われるテンプレートのような会話があります。
「最近、そっちの部署はどうですか?」
「忙しいよー。人手が足りてない。あと、○○の△△さん、今月いっぱいでやめるらしいよ。」
「えー、入職してまだ3か月くらいじゃないですか?」
こんな感じで。私の部署も同じようなものですが、スタッフの定着が難しいです。
今回は私なりに考えてみたスタッフが定着する方法を提案してみたいと思います。
スタッフが定着するための流れは以下の通りです。
Q.やめる理由は?
A.3K(きつい・汚い・危険)や低賃金よりも人間関係
Q.なぜ人間関係が悪くなる?
A.”誰が言ったことが正しいのか”で考えているから
Q.どのような対応をするべき?
A.”誰が正しい”ではなく”何が正しい”で考える=業務の統一化
では、詳細を説明していきます。
やめる理由のほとんどが人間関係
介護士の仕事に従事している人を見ていると、3K(きつい、汚い、危険)、給料が安い等…世間でよく言われている悪いイメージそのままに幻滅してやめていく人は実のところ少ない印象があります。
本当の理由として、真っ先に挙げられるのが”職場の不満”です。
「この人が苦手」
「この職場の雰囲気が合わない」
と色々聞きますが、ニュアンスの違いで、もう少し掘り下げてみると、結局のところは、
「(仕事のやり方が)合わないから」
に尽きると思います。
特に、介護業界は中途採用で、別の職場を経験し、その中で自分独自の介護観を培ってきた人が多いです。
自分が思う介護観を人に指摘されると、人格を否定されたような気分になり、”(仕事のやり方が)合わないから”となるのです。
では、どうすれば仕事のやり方を合わせられるでしょうか?
まずは業務の統一を
介護の現場では日常茶飯事に聞く言葉があります。
「○○さんはこう言ったのに、△△さんはこう言った、どっちがただしいんやろ?」
入職して日の浅いスタッフは業務を覚えようにもどっちが正しいかわからない状態ですが、そもそも、”誰が言ったことが正しいのか”を考えること自体が間違っているように感じます。
ここで、私たち職場に定着しているスタッフができることとして、すぐにでも”何を正しいとするか”を決めることです。
もちろん、“誰が”ではなく、”何を”正しいとするかです。人の言った言葉は曖昧なので、”正しいとするもの”を物質として残しておくべきなのです。
ちなみに、前職のエンジニア時代は設計に関わる仕様書のことを”神様”とか”Golden(ゴールデン)”と呼んで、仕様書に書かれている内容を絶対としていました。
もしかすると、スタッフが定着しづらい職場は、統一した業務の内容が古くて使えなくなっていることで、職場に定着しているスタッフの言葉が正しいものになっている状態なのかもしれません。
その状態では、何を正しいとするかわからないまま業務に従事することになり、結果的にスタッフ間のいざこざに繋がります。そうならないためにも、職場のスタッフ全員が同じようにできるよう業務を統一することが大切です。
”何を正しいとするか”を決めてしまえば、すべてのスタッフがそれに沿って業務をするようになるので、
「(仕事のやり方が)合わないから」
ということも減り、スタッフも定着しやすくなると思います。
余談ですが、“何を正しいとするか”を決めると、患者様や利用者様へのサービスも均一に提供されるので、
「あの人はしてくれたのに、この人はしてくれへん」
のような、クレームも減り顧客満足度の向上に繋がります。
まとめ
どの職場にも言えることですが、職場の人間関係は仕事を通しての信頼があることが大前提です。
その信頼関係を築くうえで、最初につまずかないためにも、職場に定着しているスタッフが、業務の工程について話し合い、業務の統一するようにしなければなりません。
ただ、業務の統一はとてもパワーのいることです。そもそも、私の勤めている病院は回復期リハビリテーション、医療療養型等病棟によって機能が違うため、他部署との業務の統一は難しいのが本音です。
ただ、業務の中でも”作業”にまつわる業務、オムツの処理の仕方、衣類の仕分け等…については少なからず統一できるのではないかと思いますので、そこから始めている所です。
みなさんも忙しい中で大変ではあると思いますが、業務の統一化は大切です。職場環境がよりよいものになるようにできることから着手しましょう。