デジタル介護士 ぱんあた(Panda attack)です。
介護士として勤務していますが、女性介護士ならではの細かいところまで行き届いた対応はいつ見ても勉強になります。
男性介護士には男性介護士の魅力があるのもまた事実なのですが、患者のファーストインプレッションはやはり女性介護士の方が良いようです。
そこで、今回は男性介護士である私が患者と関わる時に気をつけていることをいくつか挙げていきたいと思います。
一人称を『私』にする(笑顔は大事)
少々堅苦しいかもしれませんが、患者の前では一人称を私にしています。
一人称を『僕』にすれば、孫のようにかわいがってくれる患者がいるのも事実ですが、スタッフというカテゴリーから少し外れて何でもしてくれる孫になってしまう可能性があります。
何でもしてくれる孫、それでいいじゃないかと思われるかもしれませんが、私の病棟には数十名の患者が入院しています。その全てに適切に対応をするためには、ひとりひとりの患者に本当に必要な対応をしなくてはいけません。
たとえば、
『ベットのコントローラー取って』とか、
『ちょっと体を起こして』とか、
リハビリのために自身で体を動かしてもらう必要がある場合においても、患者の望み通り手伝ってしまうと、本当は自分で動かせるのに甘えてしまうようになります。
そうならないためにも、適度な距離感を保つことが大切で、その距離感を保てるのが男性が使う『私』という一人称であると思っています。
また、男性である私が『私』という一人称を使うことで、堅苦しさが生まれることで、患者の甘えてしまう感情に対しても、すんなりと断れるようになります。
正確には断ると、それを患者が受け入れてくれやすくなる、ということです。
仲良くすることは悪いことではないですが、患者と必要以上に距離を縮めて友達感覚になっていると、限られた時間の中で本当に提供しなければいけない介護サービスが提供できなくなります。
これからの時代は少子高齢化社会です。スタッフの数が足りなくなるのは目に見えているので、本当に必要な介護を提供するためにも適度な距離感は大切です。
利き手と逆の手を使う(笑顔は大事)
これは、年配の女性の前で使うことが多いです。
男性としての動きはダイナミックでそれはそれで魅力的なのですが、患者とスタッフの関係では高圧的に取られてしまうこともあります。
一度、構えられてしまうとそれからの信頼関係構築が難しくなるので、簡単な動作はあえて利き手と逆の手を使って、ダイナミックさを隠してみたりします。
たとえば、患者の食事を下げた後で机を利き手と逆の手で拭くなどです。
簡単な動作なら利き手と逆の手でしても、あまり変わらないですし、男性的なダイナミックな動きよりも、少しきれいな所作で動くことができ丁寧にしているように見せることができます。
ちなみに、『丁寧に拭きますね』とは言われても、『左利きなんですか?』と言われたことはありません。患者は動作の全体をみているようです。だからこそ上品な所作が伝わるようです。
信頼関係が構築されても敬語で接する(笑顔は大事)
私の勤務する病棟は回復期リハビリテーション病棟なので、脳だけでなく整形で入院する患者もいます。
年齢層は70代以上の患者が多く、その年代は高度経済成長の日本を支えた自負がある人、人間関係を大切にしてきた人が多い印象です。
また、年齢や性差の意識が強く、上下関係もしっかりしており、介護は女性がするものというイメージがあるようです。
その世代の方からみれば私は30代の若輩者です。敬語を使うことは礼節を伝える入り口になります。
もちろん認知症の患者にも敬語で話します。
病棟内では誰がどこで聞いてるかわかりませんので、ちゃんと礼節のあるスタッフを演じなければいけません。
まとめ
これからの時代は少子高齢化社会です。
たくさんの患者を少数のスタッフで対応しなければいけなくなると思います。
女性の患者が排泄介助を男性介護士にしてほしくなくても、男性介護士がしなければ仕事が回らない状態になるかもしれません。
そんなときに必要なのは、患者に好かれるスタッフではなく、患者に嫌われないスタッフという振る舞いなのではないでしょうか。
少子高齢化に拍車がかかっている今だからこそ、他の頑張っているスタッフの為にも何でもしてくれるスタッフになってはいけないと考えます。
今後も男性介護士だからこそできること、するべきことを考えていきたいと思います。