デジタル介護士 ぱんあた(Panda attack)です。
介護士として病棟に勤務していると色んな患者さんと接することになります。
認知症を患っている人や、思うように体が動かせない人などそれぞれの状況に寄り添いながらの対応が必要になります。
その人の為を思うと時には寄り添えない要求もあるのですが、それを伝えて理解してもらうのにとても苦労するような時もあります。
今回はその中でも最も理不尽な部類に入るクレーマーとの接し方について考えてきたいと思います。
クレームを承った時
クレームを承った際には、まず、最初から最後まで話を伺いましょう。
その際に気をつけることは、どれだけ相手の言い分が主観的で理不尽だとしても決して話を遮らずに、『そうですね。大変だったですね。』などの相手に寄り添う相槌をうちながら聞くことです。
この姿勢は相手に『私はあなたの話をしっかりと聞いています。』というメッセージを伝える手段でもあります。
このメッセージが伝われば、相手も話しながら少しずつ感情が落ち着いてくるようになります。
なお、相槌のコツとしては、頷きながら相手の語尾だけを拾って繰り返すといいと思います。真摯に耳を傾けている姿勢を上手く伝えられると思います。
話をひとしきり聞き終わると
話をひとしきり聞き終わると、相手の要求の内容がなんとなく見えてくるので、どのように交渉するべきかの方向性も明確になります。
もしかしたら、相手自身もどうして欲しいのかまとまっておらず、私たちの傾聴を通して、要求がまとまっていくのかもしれません。
相手の話を聞きながら、相手の要求が話を聞いて欲しいだけなのか、謝罪を要求しているのか、謝罪に加えて改善を要求しているのかなどをしっかり見極めましょう。
見極めたら交渉開始
相手の要求を見極めることをができたら、いよいよ交渉開始です。
交渉の第一歩として、こちらで具体的に相手の話を要約します。
相手が要約した内容が違うと訴えるなら、逆らわずに言われたとおりに訂正します。
要約が終わった後に、相手に「では、どうしたらよいでしょうか?」と聞くとたいがいの場合は自分の要求を明らかにします。
その要求を確認したうえで「申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないように致します。」と深々と頭を下げます。
深々と頭を下げる頃には相手の溜飲を下げることができているはずです。
クレーマーの標的にならないために
クレームを出す相手は、クレームを出すくらいですから、たいてい怒りの感情を抱いています。
そのことを念頭に置けば、クレームを円満に解決する手段としてまず何よりも先に相手をクールダウンさせることが目標となります。
ところが、クールダウンどころか火に油を注ぐようなフレーズを放ってクレーマー相手の標的になってしまうことがあります。
そのフレーズとは『でも』『ですから』などの言葉で、この言葉は相手の神経を逆なでする可能性があります。
たとえば、『でも』は相手の言葉を否定して反抗的な態度が伝わりますし、『ですから』はそんなこともわからないのかというニュアンスの上から目線として伝わります。
そうなってしまえば、相手の怒りはさらにヒートアップし、怒りの標的がクレームそのものではなく、あなた自身の態度に変わってしまいます。
そうならないためにも、相槌の際に『でも』『ですから』などの相手の気持ちを逆なでするような言葉はできるだけ使わないようにしましょう。
もし、『でも』や『ですから』を使いそうになったら、このような表現で伝えてみてはいかがでしょうか。
『失礼しました、もう一度、説明させていただきます。これは…』
この表現で伝えれば相手の気持ちを逆なですることなく伝えることができるはずです。
まとめ
クレーマーとの接し方いかがでしたか?
クレーム承った時、私たちはきっと相手の負の感情も受け止めている最中だと思います。
ただ、クレームが出たということは、少なからず職場のどこかに問題が潜んでいるということも確かな事実です。
もし、私たちが負の感情に支配されて、負の感情を持って言い返してしまうと、その問題の解決どころか発見もできずに問題がそのままにされてしまいます。
そうならないためにも、クレーマーとの正しい接し方を学び、職場環境をより良いものにしていきましょう。