介護関連

利用者の心に寄り添えるユマニチュードの基本

 デジタル介護士 ぱんあた(Panda attack)です。

 みなさまも介護の仕事をしていれば、利用者様と接する機会において、意思疎通が困難だと感じた経験があるのではないでしょうか?

 私もそのような利用者様を前にして、自分の人格そのものが否定されたような気がして、何となく接触を避けてしまったり、作業的な対応をしてしまったことがあります。

 今回は、そのような利用者様に対するアプローチとして、誰もが取り組めるユマニチュード(Humanitude)の研修を受けた体験談を交えて紹介していきます。

 私自身、ユマニチュードを実践することで以下の効果が得られました。

  • そっけいない態度を取っていた人がコミュニケーションを取ってくれるようになった
  • 攻撃的だった人が穏やかに話すようになった
  • 認知症の人や高齢者に関わらず人間関係が良好になった(実はこれが一番の発見です)

 私たちはユマニチュードを実践することで、人の本当の気持ちにたどり着けるかもしれません。そして、それは私たちにとっても楽しい時間になるはずです。

ユマニチュードとは

 ユマニチュードとは、言葉だけでなく、知覚や感情も含めた包括的なコミュニケーションを基本としたケア技法です。「ユマニチュード」は、フランス語で「人間らしさ(Humanitude)」を意味し、「人間らしさを取り戻す」という意味も含まれています。

ユマニチュードの効果

 ユマニチュードは、「人間とは何か」「介護とは何か」に基づく実践的な技術から成ります。「人間とは何か」「介護とは何か」に基づく技術なので、相手の人間らしさを尊重することができます。

 介護をする人は、言葉に加えて、知覚や感情も含めたコミュニケーションを用いて、要介護者に”私はあなたを大切に思っています”という気持ちを伝え続けます。

 介護を通じて、コミュニケーションが困難な要介護者とポジティブな関係を築いていくのですが、その結果として、以下の効果が期待できます。

  • 攻撃的な人が優しくなった
  • 発語がなかった人が話すようになった
  • 寝たきりの状態だった人が立ち上がるようになった

ユマニチュードの4つの柱

 ユマニチュードの基本は以下の4つの柱から成り立っています。

  • 見る
  • 話す
  • 触れる
  • 立つ

 では、ひとつずつ説明していきます。

見る

 ユマニチュードにおいての見るとは、水平な高さで目を合わせ、正面から顔を近づけて、見つめる時間を長くとるようにすることです。見つめることで伝えられるポジティブなメッセージは以下のようなものになります。

  • 水平な高さ⇒「平等」
  • 正面の位置⇒「正直・信頼」
  • 近い距離⇒「優しさ・親密さ」
  • 時間の長さ⇒「友情・愛情」

 実際に高いところから見下ろすように話すと、相手が私のことを高圧的に感じるかもしれません。

 コミュニケーションとは話すことだけではなく、見る位置や目線、距離感も重要です。話さなくても相手に「大切に思っていますよ」という気持ちを伝えることは可能なのかもしれません。

話す

 ユマニチュードにおいての話すとは、肯定的な言葉を用いて、優しく穏やかに話しかけます。何も反応がないときは、自分の行っている介護状況を実況中継しましょう。

 例えば、「これからオムツを替えますね」「温かいお湯で洗います」「気持ちいいですね」などの言葉をかけ続けます。

 私自身、実践をしてみて言葉そのものに意味がなくても、声やトーンから気持ちを感じてもらえることが実感できて感動しました。コミュニケーションとは優しさや穏やかさを伝えることなのかもしれませんね。

触れる

 ユマニチュードにおいての触れるとは、穏やかな雰囲気でゆっくり優しく触れます。触れるときも離すときも”そっとやさしく”です。

 顔や唇など普段から人に触れられない部分にいきなり触れるとびっくりすると思うので、最初は腕や背中などから”そっとやさしく”触れましょう。

 また、つかむという動作は攻撃的な態度として伝わってしまいます。介護を行うときは急につかんでしまわないように注意しましょう。

 私は入浴介助や排泄介助のときに腕や脚を無意識につかんでしまうことよくあります。常に相手のことを考えてコミュニケーションをとらなくちゃいけませんね。

立つ

 ユマニチュードにおいての立つとは、自立とも言うように、「立つ」ことには自らの意思を取り戻すのに重要な意味があります。立っている時間が60秒間でも、その間に清拭や洗面、歯みがき等の出来ることをすることで、利用者様が自発的に動くためのきっかけをつくることができます。

 椅子を用いて、立ったり座ったりの動作を組み合わせれば、より長く立っている時間をつくれます。

 自分で出来ることが増えると、自然と気持ちも奮い立つということなのだと思います。利用者様が前向きに過ごせるようになるためにも、出来るかもしれないことを私たちが行動を抑止してはいけないのでしょうね。

まとめ

 ユマニチュードの基本編いかがでしたか?

 基本の4つの柱だけでなかなかの長文になってしまいました。

 次回は実践編ということで、基本の4つの柱のうちのいずれか複数使って行うマルチモーダルコミュニケーションを中心に続きを書いていきたいと思います。