デジタル介護士 ぱんあた(Panda attack)です。
今は介護士として働いていますが、人に歴史あり、もう15年以上前ですが私もエンジニアとして働くために理系の大学を卒業しております。
電子工学を専攻し、卒業論文は量子コンピュータをテーマとして論文を書きました。
それから、量子コンピュータのことはほとんど忘れていましたが、ここ数年でビットコインなどの暗号資産が話題になり、興味本位でビットコインに関する書籍を読んでいると、久しぶりに量子コンピュータに再会しました。
今回はビットコインなどの暗号資産から有名になったブロックチェーンの技術と量子コンピュータの開発についてです。
ビットコインを理解するうえで必要なキーワード
まず、量子コンピュータにたどり着くまでにビットコインを理解してもらう必要があり、そのためのキーワードを以下に記します。
- ブロックチェーン
- ハッシュ関数
- マイニング
ブロックチェーンとは
まず、ブロックチェーンとは、ビットコインなどの暗号資産に用いられる技術のことです。一定期間に行われた暗号資産に関するデータをブロックにまとめて、複数のコンピュータで検証を行い正しい記録を鎖のようにつなげていきます。
ブロックチェーンの特徴としては、ひとつのコンピュータが改ざんしても、他のたくさんのコンピュータがそれを監視している(正確には他のコンピュータと違えば正しいデータと認識されない)ため、改ざんや不正取引を防ぐことができる技術となっていることが挙げられます。
一定期間に行われた暗号資産に関する取引データ(台帳)を複数のコンピュータで分散して管理していることから分散型台帳ともいわれます。
この、大切な取引データを改ざんや不正取引から防ぐことができるブロックチェーンの技術は、セキュリティーの面で信頼性が高い技術であるといえます。
ハッシュ関数とは
ハッシュ関数とは、入力した値に対して別の値が出力される暗号方式です。ビットコインでは一定期間に行われた暗号資産に関する取引データを別の値として出力し暗号化します。
暗号化された値はハッシュ値といい、英数字で表現されます。
マイニングとは
マイニングは採掘という意味で、ビットコインなどの暗号資産における取引データが正しいかを検証する方法が鉱物を採掘するほどの途方もない作業に似ていることからマイニングと呼ばれています。
マイニングとは、暗号資産の取引データが格納されているブロックに、正しい取引が記録されていることを検証する作業です。
マイニング作業は以下の3つのデータをハッシュ関数に入れます。
- 検証行為を行うブロック内のデータ
- 取引検証完了済の証である1つ前のブロックのハッシュ値
- 正解を導くことになる数値
とても専門的で難しくなってきましたね。要するに、
マイニングによる取引検証の作業にはコンピュータの膨大な計算処理が必要
と、いうことです。
ちなみに、ビットコインの取引において、マイニング作業を一番に完了できたPCの保有者には報酬としてビットコインが支払われます。これが、マイニングに参加するメリットになります。
マイニング作業ができるコンピュータ
いよいよ、というかやっとこの記事の本題に入ってきました。
現状でマイニング作業をするためにはたくさんの問題があります。
- コンピュータの置き場所
- コンピュータの設置環境
マイニング作業のような膨大な計算を処理するコンピュータは現状ではスーパーコンピュータが現実的です。そうなると、もちろん設置するにはある程度の場所が必要になります。
また、膨大な計算の処理には相当の電力を消費するので、設置環境も気温の低い高地などに限られます。
ここで、仮に量子コンピュータが開発されたら…と思うのです。やっと本題に入れました。マイニング作業を必要とするブロックチェーンの技術を使うにはコンピュータが追い付いていないのが現状です。
改ざんや不正取引を防ぐことができる技術は素晴らしいのですが、場所や電力の消費が大きいのは改善の余地があり、そのためには大規模な並列処理を可能にする量子コンピュータの登場を期待せずにはいられません。
まとめ
ブロックチェーンと量子コンピュータのお話でしたが、いかがでしたか?
現在、介護士の私がPCを使う用途くらいなら量子コンピュータじゃなくても不自由していないので実用化されても実感がわかないかもしれませんが、私の大学時代の研究テーマがこんなところで繋がってくるのが少し嬉しかったです。
ブロックチェーンは銀行口座や証券口座の不正取引を防止したりできる素晴らしい技術です。
その技術を社会で実用化していくには量子コンピュータの開発が急がれます。
実現するかどうかは別として、たまにはこんな夢のある話もいいものですね。